リテールビジネス研究所

R・B・Kおもてなし調査隊がいく!今月のPATROLvol.1~5

年間1,300以上のショップを見ている専門調査員「R・B・Kおもてなし調査隊」がリアルな現場をレポートします。

今月のPATROL vol.5

vol.5

[俺のフレンチ・イタリアン]

おもてなしの
「コストカット」はNG!

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SHOP DATA>>>俺のフレンチ・イタリアン 青山店

住所:東京都港区北青山3-11-7 Ao<アオ>1階
快進撃を続ける「俺の」シリーズ史上で初の業態となるフレンチとイタリアンの共存店が、10月にオープン。また、座席を含めたその広さは「俺の」中で随一で、ジャズライブも見所。

おもてなし評価
総合 挨拶 grade
11点 笑顔 grade
パーソナルな対応 grade
grade 再来店したいか grade

時間を選んでスムーズに入店したものの・・・
by 調査員 A.S

12月といえば、忘年会!往訪は12月上旬。食べログで店舗情報を調べると、「9時以降は比較的スムーズに入店できます」と記載があり、それを信じて仲間と待ち合わせ。正直、並ぶ覚悟もしていたけれど、告知通りすぐに案内してもらってひと安心。そして期待を胸に入店したんですけれど・・・

外食は、味・コスパだけで満足できるもの?エンタメ要素を加えていてもお客様への配慮がないと物足りないし、再来店に繋がらないわよ。継続を求めるのなら絶対に接客を改善しない限り無理よね。

いきなりがっかり!
  笑顔ゼロのお出迎え

アミューズ料金とミュージックチャージ、2時間制の説明があり、いざ入店!私も誘った友人も話題の店に興味津々で、ワクワクしながら店に足を踏み入れました。さぞかし明るい笑顔と挨拶が私達を出迎えてくれるんだろう、と思っていましたが、がっかり・・・。店内ですれ違うスタッフは自分の仕事に手いっぱいといった様子で、入店客には無関心。店長らしき方に案内してもらいましたが、ニコリともせず、「お荷物は下へ」「メニューはこちらです」などのロボットのような事務的な案内のみで、配慮もゼロ。 「お客様の満足に命懸けます」と顔写真付きの看板コメントは何だったのだろうと、早くも、目がテンになりました。

親切じゃないメニュー表と
親切じゃない接客サービス

肝心のオーダーですが、メニュー表は写真なしのA3パウチッコ。アルコールメニューは、コメント付きの物もありましたが、肝心なお料理は詳細がなく分かりづらい。(事前にネットで調べて出動していますが)ダメもとで10食限定ものの有無を尋ねると「ありません」分かりにくい商品名に関しても「○○です」とほぼ無表情。早く決めろと言わんばかりにも見えるその態度は、立ち飲みだからでは理由になりません。他のお客様を見ていても、質問したり、悩んでいたり。ひと言でもアドバイスを添える、これって最低限の接客ですよね。そこはコストカットしちゃだめでしょ!

料理のコスパは納得!
  お待たせしない提供は○

料理はどれも価格以上の内容で、隣の席の女子達からはお料理の提供があるたび、「きゃ~」と黄色い声とシャッター音が聞こえ、話題店舗に来た事を改めて実感しました。そして、私達は最終会計額を見た時にニヤリとしましたけど(笑)。また、混雑な中でのスムーズな商品提供のスピードには感心しました。オペレーションが徹底されているんでしょうね。初「俺」を体験しましたが、他店の接客も同じようなものでしょうか。いい意味での店舗格差を期待したいものです。

今月のPATROL vol.4

vol.4

[ ASOKO ]

ヤッパリ
話題性 > サービス

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SHOP DATA>>>ASOKO ★9/27原宿店オープン

住所:東京都渋谷区神宮前6-27-8
関連 URL:http://www.asoko-jpn.com/

おもてなし評価
総合 挨拶 grade
20点 笑顔 grade
パーソナルな対応 grade
grade 再来店したいか grade

入店してすぐは、興奮したけれど・・・
by 調査員 A.O

訪れたのはオープン間もない10月末日。平日の15時台だというのに、約60人ぐらいの行列でした。 「サプライズを楽しもう!」をコンセプトに、大阪から2号店目のこのショップ、関東も出だしは好調な様子です。お客様の様子を見ていると、次々と商品をカゴに投入していましたが・・・・

セルフ販売で、挨拶の声が飛びかわないのは、困ったものです。まさか、誘導、レジ打ち、商品出しだけが仕事だと思っていない?さて、プライスバリューだけで、いつまで続くのでしょうか・・・

入店前の期待感を邪魔しない
スムーズで効率的な誘導は◎

入場は、整理券を持っている人、そうでない人、と交互に案内し、「2Fからご覧ください。階段は左側を歩いてください」「1Fからご覧ください」などと入店のバランスに気遣いながら、明るい声でスタッフが案内をしている。日本人って、指示するのも、指示に従うのも得意だよね、と思いながら順番を待っていた。30分待ちというアナウンスより早く、実際には20分待ちで入れた。誘導がモタモタしたり、要領悪いと一番イライラするところだけど、大阪の経験値が活かされたせいかスムーズだった。

価格以上の価値を感じる商品&
明日がワクワクする世界

小洒落ているのにこのお値段!と思う様な商品がたくさん並んでいる。他のお客様も、これといった目的の商品があったわけではなさそうだが、次々と大胆にカゴに商品を詰めていく。「沢山買える」ということをひたすら楽しんでいるようにも思える。
友人と興奮気味に価格の安さを語り合う姿も。
私も、目的もなくフラリと入ったが、なんとなくその雰囲気にのまれて、クリップや、使いもしないつけまつげ等をカゴに詰めていた。無くてもいい物かもしれないけど、あると明日が楽しみになる、そんな想像力がやたら掻き立てられた売場だった。

今後は接客サービスの整備に期待

結局、何も買わずにお店を出てしまった。というのは、途中で発見したスマホケース、安価でデザインもいい。でも、対応機種などの記載がない。私はいくら安くても、使えないものを買うのは嫌だ。周囲を見回しても、近くにスタッフもいないし、カゴをぶつけながら、レジまでスタッフに声を掛けに行くのも、なんとなく気が引けた。レジには列も出来ているし・・・。
そんなことをしているうちに、これまでの興奮がすっかり冷めしまった。安いからなんとなく買わなくてもいいんじゃないか、と。この行列と熱気はいつまで続くのだろうか。私は、わからないことがあれば、スタッフに質問が出来る環境が整ったら、また訪れたいと思う。

今月のPATROL vol.3

vol.3

[UNITED ARROWS]

「情熱接客」 = 提案力!
再来店につながるヒント多数

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SHOP DATA>>>UNITED ARROWS 新宿ルミネ店

「情熱接客」とは、「ファッションの力でお客様の“世界を変える”」をテーマにUA全国35店舗で行われているキャンペーン。情熱接客のバッジを付けた担当スタッフが10分間で全身コーディネート提案を行い、撮影した写真を特設サイトにアップ。各種商品や10%オフチケットなどの懸賞品が当たる情熱福引も実施している。

おもてなし評価
総合 挨拶 grade
95点 笑顔 grade
パーソナルな対応 grade
grade 再来店したいか grade

直後の感想は、素直に「楽しかった!」
by 調査員 A.S

往訪は9月。秋物が続々と入荷するベストシーズン、何を買おうか真剣に物色中のお客様を横目に、「情熱接客受けたいんですけど」と声を掛け接客開始!普段はどんなスタイルが多いのか、気になっているアイテムはあるかなど、ヒアリングがあり、スタッフ目線で商品のセレクトが始まります。 スタッフとの会話をしているうちに、最初は控えめだった自分が最後にはノリノリに(笑)。ブーツやアクセまで完璧にスタイリングされモデル気分になった私は、マンマとUAの狙い通りに・・・!

リアル店舗の強みはなに? お客様と対面できる!こと。お客様をよーく見て、会話して、お客様の潜在的な魅力を引き出し、ご提案するパーソナルスタイリストこそがリアル店舗には必要なの!

真剣に取り組む姿が信頼感を与え、
また会いたいと思わせる

「トレンドのタイトスカートを着てみたい」というこちらの要望からスタッフの商品選定が始まり、試着室に何パターンかのコーデが用意されます。「まずはこれから着てみて下さい。」と言い、都度様子を見ながら意見交換し、別のパターンにシフトしたり、アイテムの足し引きが行われたりと進んでいきます。「これちょっと太って見えません?」などこちらの不安にもにこやかに且つ迅速に応対し、こちらが着替えている間にあれやこれやアイテムをスピーディに探しに行き、靴や帽子、アクセなどをセットして完成。この情熱接客は、スキルのある限られたスタッフだけが行うというだけあって、満足ゆく提案を受けることができ、新宿店のスタッフさんには、今度買い物に行く際には、リアルに相談したい、なんて思いました。

試着ってこんなにワクワクする!

あれやこれやと複数の商品を試着していくと、それだけでワクワクしました。スタッフ目線のセレクトということもあり、普段自分が選ばないような商品が多いからでしょうね。とりわけ私は控えめ気質?ですから、普段はよほど気に入って金額的にも買える商品しか試着はしませんから・・・結果、魅力的なコーディネート提案や試着中のスタッフとの会話のお蔭で、ノーマークだった商品が逆に欲しくなってました。これって試着の効果ですよね。おかげで、今季の買い物リストが増えてしまいました(笑)

リアル店舗でしか体験できない
斬新な仕掛けに今後も期待

この情熱接客は、翌日職場ですぐに同僚に話したくなる、そんなちょっと特別な体験に感じられました。特設サイトに自身の写真も掲載されるのもポイントで、ツイッターやFacebookでUPする人は多いと思われます。私はFacebookで「いいね!」を思わずクリックしてますし。自社HPの告知程度で、大々的な宣伝が行われていないのが、「知る人ぞ知る」感があってまた上手い戦略だと感心しました。おしゃれ好きが仕掛けるおしゃれ好きの為の、リアルショップでしかできないキャンペーン。店に足を運ぶ付加価値ここにあり!でした。

今月のPATROL vol.2

vol.2

[MUSEUM OF YOUR HISTORY]

挨拶、言葉、アクション・・・どれも
 “私” に向けられている!

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SHOP DATA>>>MUSEUM OF YOUR HISTORY &GRANDMA MAMA DAUGHTER

京都発、011年にオープンした吉祥寺店を含め都内に2店舗を展開。 複数のオリジナルブランドを中心としたメンズ&レディースのセレクトショップ

おもてなし評価
総合 挨拶 grade
90点 笑顔 grade
パーソナルな対応 grade
grade 再来店したいか grade

“再来店したい”に★5つ!
ブレないおもてなし by 調査員 A.I

何度か足を運んでいるショップですが、SALE期間中の今回も変わらず気持ちの良い接客を受けてきました。店に足を一歩踏み入れると、スタッフとお客様が楽しそうに会話を交わす姿が各所にあって、私も含め皆が程よくリラックスした雰囲気。「売る」ことが第一目的ではなく、「この商品ってこんなに素敵なの、ぜひ見て知ってください」というアピールに。デザイナーズブランド時代育ちの、純粋に洋服が好きだった頃の自分にはどんぴしゃな接客ですが、今の時代にも生かせるポイントがあるはずだ、と思います。

パーソナルな接客こそ、
小売りの原点よ!

調査員の心を動かしたのはこんなお声掛け!

実感したのは、掛ける言葉の一つ一つが“私”に向けられていたということです。マニュアル通りではなく、こちらをよく観察していました。この日は、「雰囲気のあるシンプルなお洋服ですね」、「日焼けした方が黒い洋服を着ているの好きなんです、イタリアンマダムみたいで」と言ってこちらを褒め、商品提案の際には、「ショートカットの方には、襟ぐりのあいているものがとても似合いますよね」という言葉がありました。ただ、「素敵ですね」や「よくお似合いです」という誰にでも向けられるような口先だけのセリフとは違って、つい気持ちが動いて、スタッフの言葉を待つようになる私がいました。

スタッフ全員が伝道師!

今回私は3人のスタッフの接客を受けましたが、どのスタッフも、それぞれ特徴はあるものの、個々の表現方法で接客をしてくれました。また、SALE中でそこそこお客様もいましたが、見ていると、殆んどのお客様にも声を掛けており、ショップ全体が和やかな空気につつまれていました。これってできそうで、なかなかできないことだと思います。日頃からスタッフ間のミーティングがしっかりと行われていて、同じ目的や方向性を持って売場に立っている証ですよね。いつ行ってもがっかりしない接客、これってまた行こうって思えるポイントですね。

商品についてしっかり勉強している

最近のアパレルショップの接客は、商品単体の説明が弱く、コーディネート提案に偏りがちな傾向にある中、ここは価格帯もやや高めで、かなりこだわりのある商品が並ぶセレクトショップということもありますが、素材や縫製といった知識がしっかり備わっていることに驚きます。さらには、ブランドの背景やデザイナーのことなどもきちんと説明があります。1つの商品が様々な角度や豊富な言葉でアピールされることによって、商品の価値がぐっと上がりますよね。そして何より、スタッフの存在価値が生まれます。ちょっと大げさですけど、信頼感にはなりますよね。通販ではなく、ショップで買う意味って、こういうところにあると思うんですけどね。

今月のPATROL vol.1
vol.1

[MARK IS みなとみらい]

“アプローチ”は
どの店舗も受け身な「MARK IS」

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SHOP DATA>>> 「MARK IS みなとみらい」(2013年6月グランドオープン)

全189店舗が集結するみなとみらい21地区で最大の商業施設として誕生

おもてなし評価
総合 挨拶
45点 笑顔
パーソナルな対応
再来店したいか

MARK ISの接客って・・・
物販はアプローチ不足、飲食店は活気あり!

オープン間もない横浜エリアの新商業施設に、3名の調査員 が業種を分担してパトロールに出動。 セール時期と夏休みが重なり、館内は多少の混雑はありました。セール中にもかかわらず、 どの店舗にも共通して言える事は、スタッフから のアプローチはほとんどなかったこと。おしゃべりと作業に夢中で「今忙しいんです」 的なオーラを発して、こちらから声を掛けるのを躊躇する雰囲気がありました。 一方、館内でも特に賑わいを見せていたフードコートはアルバイトらしきスタッフがほとんど でしたが、満面の笑顔と明るい口調から食事 を存分に楽しんでもらいたいというメッセージが伝わってきました。

SALE時は、目的がなくても購入に繋がる ケースが多いので、いつもより積極的に アプローチするのが鉄則でしょ! もったいないぞ! MARK IS!!

ファミリー&キッズ・雑貨
2013.07.30 by調査員J.S

もう少しお客様の存在を気にしてください!

キッズ用品・生活雑貨店を中心にいくつかの店舗を見て回り ました。商品を手に取れば、すすすっと寄って来て説明を始 めた店舗はごくごくわずか。ほとんどの店舗が作業を優先し、 中には明らかにこちらを無視しているような店舗もありました。 こちらから声をかければそれなりに対応はあるものの、あっと 言う間にカウンターに戻ってダンボール開けに余念がないスタ ッフ。「何センチをお探しですか?」の一言があれば、たいてい 会話が始まるキッズ用品なのに、こちらから声をかけるのをた めらわせる雰囲気すらありました。ダンボールよりお客様の存 在を気にしてほしかった!

ファッション&スポーツ用品
2013.07.21 by調査員A.I

お客様の立場に立ったサポートを!

ファッション・スポーツ用品を中心にぐるっと一回り。すぐに 声をかけてくれ積極的なアプローチがある店舗も中にはありま したが、仲間同士のおしゃべりに夢中でお客様そっちのけの店 舗もあり、店舗によっての温度差を感じました。中でも多かっ たのはアプローチのない傍観タイプ! 例えば、商品を試しなが ら長いこと迷っている2組のお客様を、スタッフ2名が笑顔な くいつまでも傍観していたスポーツショップ。 お客様の立場に に立って、経験を活かした会話とアドバイスがあれば、即購入 に繋がるのになぁと思ったヒトコマでした。

飲食店・フードコート
2013.07.20 by調査員A.S

マニュアル通りのセリフも、笑顔と明るさで 印象深いおもてなしに!

いくつかの物販店をのぞいて、ちっともハートに響かない接 客を受け、ちょっとがっかりしながら、人気店で賑わう飲食フロア へ向かいました。行列につくこと30分。ようやく入れたその店で は、提供時の商品説明に、自社商品に対する愛情が感じ取れ、 食事を楽しんで下さいというメッセージも伝わってきました。 マニュアル通りのセリフでしたが、アイコンタクトのあるニコニコ した表情や明るい口調に加え、料理の仕上げを目の前で行うという パフォーマンスでワクワク感が倍増!おもてなしの心を感じ、 行列で待った疲れが吹っ飛びました。

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